収納代行サービスを導入すれば、請求業務の効率化や未収リスクの軽減など、多くのメリットが期待できます。
一方で、「お客様から預かったお金」と「個人情報」を扱うため、法律・セキュリティ・運用体制といった“見えにくいリスク”への対策も欠かせません。
本ページでは、収納代行サービスを安全に利用するために必要な、次のポイントを整理して解説します。
あわせて、下層コラムでは各テーマをより詳しく解説してきます。
POINT
「法律やセキュリティも気になるけれど、
まずは自社に合う収納代行サービスを知りたい」という方は、
【ビジネスモデル別で選ぶ】収納代行サービス3選もあわせてチェックしてみてください。
なお、収納代行サービスの基本から知りたい方は、先に以下のページを読んでいただくと、本ページの内容が理解しやすくなります。
収納代行サービスは、サービスの形態によってスキームはさまざまですが、共通して「代金の一時預かり」や「顧客情報の取り扱い」が発生します。
そのため、以下のような法律・制度との関係を理解しておくことが重要です。
収納代行サービスを検討するうえで、まず押さえておきたいのが資金決済法です。
資金決済法は、前払式支払手段や資金移動を扱う事業者に対して、
顧客資金の保全や情報開示などのルールを定めた法律です。
収納代行業者は、代金の立替払い・金銭信託による分別管理などを組み合わせ、法律に抵触しないスキームを構築しています。
サービス選定時には、次のような点を確認しておくと安心です。
これらをチェックしておくことで、「顧客から預かったお金が安全に扱われているか」を判断しやすくなります。
収納代行サービスでは、氏名・住所・口座番号・決済履歴など、多くのセンシティブな情報を扱います。
そのため、個人情報保護法への適合に加え、クレジットカード情報を扱う場合はPCI DSSなどの国際基準への対応も求められます。
収納代行サービスを利用する企業は、次のような点を押さえておく必要があります。
とくに「委託先管理」は重要なポイントで、
どの範囲まで情報を預けるのか・どのような安全管理措置がとられているのかを確認しておくことが大切です。
クレジットカード情報を扱う場合、PCI DSS(Payment Card Industry Data Security Standard)という国際的なセキュリティ基準が関係します。
PCI DSSに準拠している事業者は、
といった要件を満たしているため、カード情報の扱いにおいて一定のセキュリティ水準が担保されていると判断できます。
収納代行サービスを比較する際は、法律・セキュリティの観点から次のような項目を確認しましょう。
これらが明示されている事業者ほど、情報管理に強みがあるといえます。
どれだけセキュアな収納代行サービスを使っていても、社内の扱い方次第で事故は起こり得ます。
そのため、サービス選定だけでなく、自社内部のセキュリティルールや運用体制もあわせて整えることが重要です。
代表的な対策には、次のようなものがあります。
これらのルールを「頭の中」だけでなく、業務フローマニュアルとして文書化し、共有・教育することが、ミスや内部不正の防止につながります。
収納代行サービスを運用するうえで、返金処理や誤入金対応は避けて通れません。
請求データの誤りや利用者の操作ミスなど、さまざまな要因で返金が発生しますが、
対応が遅れたり不十分だったりすると、顧客トラブルや信用低下につながるおそれがあります。
事業者が直面しやすい代表的なケースは、次の通りです。
こうしたトラブルは、事前のチェックフローを整えれば多くを防ぐことができますが、ゼロにすることはできません。
重要なのは、「発生した際に迅速かつ正確に処理できる体制」を用意しておくことです。
収納代行サービスの種類によって細部は異なりますが、一般的には次のような流れで対応します。
とくに、「どこまで収納代行会社が対応してくれるのか」はサービスによって差が大きいため、契約前に必ず確認しておきましょう。
収納代行サービスを導入すると、支払いに関する問い合わせが増えることがあります。
とくに、請求金額や支払い方法に関する問い合わせは、顧客満足度に直結する重要な接点です。
エンドユーザーから寄せられる問い合わせには、次のようなものがあります。
こうした問い合わせには、「収納代行会社が対応すべき内容」と「自社が判断すべき内容」が混在しています。
そのため、窓口の設計と役割分担を明確にしておくことが大切です。
問い合わせ対応は、次のようなプロセスで整理するとスムーズです。
対応履歴を蓄積することで、よくある質問をFAQ化したり、説明文や請求書の改善につなげることもできます。
収納代行サービスの安全運用は、外部サービスの品質だけでなく、自社内部の管理体制にも大きく左右されます。
とくに、請求データ作成や入金照合、返金処理などは属人化しやすい業務であり、担当者に業務が集中するとミスや不正の温床となりかねません。
収納代行を導入すると、次のような業務が発生・増加します。
これらが担当者任せになると、
といった問題を引き起こす可能性があります。
そのため、内部統制の観点から業務フローとルールを整備することが欠かせません。
安定した運用を実現するためには、以下のような項目を業務フローマニュアルに明文化しておくとよいでしょう。
マニュアルを整備し、定期的に見直すことで、誰が担当しても同じ品質で業務が回る仕組みをつくることができます。
ここまで「法律・セキュリティ・運用体制」の観点を見てきましたが、最終的には自社に合ったサービスを選ぶことが重要です。
サービス選定の際は、次の3つの観点からチェックしてみましょう。
料金体系や相場感について詳しく知りたい方は、「収納代行サービスの料金体系と費用相場」もあわせてご覧ください。
収納代行サービスは、請求〜入金管理を効率化し、未収リスクを抑えながらビジネスをスムーズに回すための強力な仕組みです。
一方で、顧客から預かったお金と個人情報を扱うサービスである以上、次の3点を押さえて導入・運用することが欠かせません。
これらをしっかり押さえることで、リスクを最小限に抑えながら、収納代行サービスのメリットを最大限に引き出すことができます。
より具体的な検討を進めたい方は、以下の関連コラムもあわせてご覧ください。
また、「どの収納代行サービスが自社に合うのかを知りたい」という場合は、
ビジネスモデル別にサービスを比較した以下のコンテンツも参考になります。
ビジネスモデルによって必要な機能や決済手段は異なるため、業態に合ったサービス選定が重要。
ここでは定期課金型・都度決済型・企業間取引の3つのモデル別に、おすすめの会社を紹介します。


月謝や会費などの請求・回収業務負担を軽減したい企業
(例:ITサービス、スクール、ジム、
保険会社)


商品の都度請求・入金確認に時間や手間がかかる企業
(例:健康食品販売、化粧品販売、
アパレル販売)


支払サイトや契約条件が取引先ごとに異なる企業
(例:BtoBサービス、製造、建設業)